山を抜け海岸線の道路に出た。
「遅かったか・・。」
既に日は沈み水平線付近が薄くオレンジ色に染まり、それも今にも消えてしまいそうだった。
落胆のため息をつきながらそのまま海岸線を走る。
「ま、いつものことさ。帰ってマラソンでも見ながら酒を飲もう」
そう気持ちを切り替えて車を走らせた。
するとバックミラーが突然赤く染まる。
「化けた!夕日が消える前のひと光!」
車を路側帯に停めカメラを手に取り急いでシャッターを押した。
燃えるような夕日はほんの1〜2分だった。
その後レンズを換え何枚かシャッターを押したが先ほどのように空全体が燃えるような夕日は二度と撮れなかった。
一枚撮れただけでもヨシとするか。